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日本においてAEDの使用を忌避する理由は多岐にわたる。司法への不信感、社会的バズワードへの同調、ジェンダー間の対立など、複数の要因が絡み合い、人々の行動に影響を与えている。本記事では、社会学、心理学の観点から、この問題を掘り下げてみます。
AEDを避ける理由、これとは別でAED論争に関わる「デマをつくる人」の心理分析については以下で解説しています。


AED論争についての過去事例、法律に関するまとめはこちら


社会的要因
司法への不信感
日本では過去の冤罪事件や司法制度への不信感が根強い。AED使用に関する事例として、「AEDを使用した男性がセクハラで訴えられた」とするデマがSNSで拡散されたことがある。このような情報は事実無根であると判明しているものの、人々の心理に影響を与えた。
司法制度に対する不信感が強いほど、人々は法的リスクを回避しようとする傾向がある。そのため、AEDを使用することで訴訟リスクがあると誤解し、積極的な救助行動をためらう人が増えている。
バズワードへの同調
「AED論争」などのバズワードがSNSやメディアで拡散されることで、社会的な議論が過熱し、実際のリスク以上に恐怖感や不安感が増幅される現象が見られる。
このような社会的同調圧力は、人々の行動選択に影響を及ぼし、「問題視されている行為は避けた方が良い」という風潮を生む。AEDを使用することで社会的制裁を受ける可能性があると感じる人は、使用をためらうようになる。
心理的要因
ジェンダー間の対立とミソジニー
「モテない男性VSモテない女性」という構図や、ミソジニー(女性嫌悪)とフェミニズムの対立が、AED使用に関する議論に影響を及ぼしている。
特に、女性への身体的接触を伴う救命行為に対する過剰な反応や誤解が、男性の救助者に心理的な抵抗感を生じさせている。「女性に触れると訴えられるのではないか」という過度な警戒心が、AED使用をためらわせる要因になっている。
正常性バイアス
正常性バイアスとは、自分にとって都合の悪い情報を無視し、現状を維持しようとする心理的傾向のことを指す。このバイアスにより、緊急時にも「自分が介入しなくても誰かが助けるだろう」と考え、AEDの使用を避ける行動が見られる。
AED使用に伴うリスクを過大評価する一方で、「本当に必要なのか?」と疑問を持つ人も多い。このような疑念が積み重なることで、実際に行動に移すことが難しくなる。
法的リスクとコストの認識
経済学的視点では、個人は行動のコストとベネフィットを比較して意思決定を行う。AEDの使用に伴う法的リスク(訴訟リスク)を過大に見積もることで、その潜在的なコストがベネフィット(人命救助)を上回ると判断し、結果としてAEDの使用を忌避する行動が生じると考えられる。
実際に訴訟事例がないにもかかわらず、社会的に流布されたデマが「リスクのある行動」として認識されることで、行動の抑制が働く。
まとめ
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AEDを避ける理由には司法制度への不信感や社会的圧力、心理的要因などが関係しており、それらはある意味で自然な反応です。しかし、もし大切な人が倒れ、AEDが必要になったとき、ためらっている時間はありません。正しい知識を持ち、冷静に対応できる準備をしておくことが大切です。AEDの使用に法的リスクはなく、命を救うための道具です。いざというときに迷わず行動できるよう、日頃から備えておきましょう。



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